統制の所在
さて、これらを評価する事により、その原因を人(内部)、刺激(外部)、状況、またはそのいくつかの組み合わせ、のどこに帰属をしているか見る事ができる可能性が高いとされる。
ちなみに、この帰属過程は論理的に行われるため、”同一情報が与えられれ”ば、別々の人であってもまず同じ結論に達するとされる。
ざっくりとは一貫性のみ高く他の2つが低ければ内部(人)、全部が高いと外部に原因は帰属するとされる
- 合意性:低、弁別性:低、一貫性:高、 -> 内部への帰属(自責)
- 合意性:高、弁別性:高、一貫性:高、 -> 外部への帰属(他責)
- 合意性:高、弁別性:低、一貫性:低、 -> 状況への帰属
”ジョンはその喜劇役者の演技を笑う” の例を使えば、
- その喜劇役者のセリフを聞いてもほとんどの人が笑っていない状況下(合意性:低)、ジョンは他のどんな喜劇役者でも笑う人だが(弁別性:低)、ジョンは以前からその同じ喜劇役者にはいつも笑っている(一貫性:高)のであれば、笑っているのはジョンの人となり(内部)に帰属している可能性が高
- その喜劇役者のセリフを聞いた人がほとんど笑っている状況下(合意性:高)、ジョンは他のどんな喜劇役者でもほとんど笑わない人だが今回は笑っている(弁別性:高)、かつジョンは以前からその同じ喜劇役者にはいつでも笑っている(一貫性:高)のであれば、笑っているのは(ジョンの人となりではなく)コメディアン(外部)に帰属している可能性が高い。
- その喜劇役者のセリフを聞いた人はほとんど笑っている状況下(合意性:高)、ジョンは他のどんな喜劇役者でも笑う人だが(弁別性:低)、ジョンは以前その同じ喜劇役者にほとんど笑った事はないのに今回は笑っている(一貫性:低)のであれば、笑っているのは(その夜のコメディクラブとかの)状況に帰属している可能性が高い。
ただしこの中で合意性の高低については、人の意思決定にはわずかな効果しか持たないとの事(それよりAさんが○○したという具体的な事例の方が大きな影響があるそうだ)。
この3つの切り口にて人を観察する事で、”人のその行動がどこの要因からひきおこされているか”を推察できるトコロは面白いかも。
せっかくなので思考実験
さて、これ(共変原理)を読んで、へーそんなのあるんだと。
じゃぁ、自己分析もかねて、お題を”タバコをやめない”にして試してみた。
合意性については、
- 合意性が高い:世の中タバコはやめる方向
- 合意性が低い:タバコをやめる方向に向かわない
弁別性については、
- 弁別性が高い:他の事は頑固ではないのに、タバコだけは止めない
- 弁別性が低い:どんな事も頑固でタバコもやめない
一貫性については、
- 一貫性が高い:昔から場面を限らず喫煙している
- 一貫性が低い:ある限定した機会・場面だけで喫煙する(会社だけ、飲み会だけとか)
だとすると。。。
- 皆がタバコはやめる中やめない方針をとり(合意性:低)、どんな事も頑固でタバコもやめない人が(弁別性:低)、昔から場面を限らず喫煙している(一貫性:高)のであれば、
-> やめないのは人となり(内部)に帰属している可能性が高い - 世の中タバコはやめる方向である事は受け入れているものの(合意性:高)他の事は頑固ではないのに、タバコだけは止めない人が(弁別性:高)、昔から場面を限定せず喫煙続けている(一貫性:高)のであれば、
‐> やめないのはたばこ(外部)に帰属している可能性が高い。 - 世の中タバコはやめる方向である事は受け入れているものの(合意性:高)、どんな事も頑固でタバコもやめない人が(弁別性:低)、ある限定した機会・場面だけ限定して喫煙する(会社だけ、飲み会だけとか)(一貫性:低)のであれば、
‐>やめないのは状況に帰属している可能性が高い。
へーー、面白い(いろいろできそう)
確かに、1に該当する人は何があってもやめなさそう、2に該当する人がやめるのは別の意味で大変そう、3に該当する人がやめるのは難なくできそう(場面によって禁煙できてるし)。
割増原理、割引原理
さて、結果に対して要因(原因)が果たした役割の大きさについても、その要因が同じだとしても、人は同じ尺度では見ていない可能性があるとの事。
割引原理
:結果に対するある原因の役割は、他にもっともらしい原因が存在する時は割引かれる
(ex. 難しく苦手な仕事を失敗した事に対して:失敗をしたのは、その仕事が苦手だったというより、仕事が難しかったからだ:苦手の事実は割引)
割増原理
:結果にたいして、促進要因のみが存在する場合よりも、もっともらしい抑圧要因と促進要因の両方があった方が促進要因の役割がより大きく判断される(割増しがされる)事
(ex.何かを犠牲にして勉強しながら成功した仕事:(仕事の難易はさておき)xxを犠牲にして”勉強した”ので成功した)
さて、続いてこの推論でおきるエラーについて