数学一般-2)-3. 1=0.999・・って矛盾? いや、見方を変えればその通り。。実数の連続性を見落としているだけ。

2) 実数・虚数

1=0.9999・・・が感覚的にすっと理解できない(証明できるけど)

この式、違う数字なのに等式で結んでいることが腑に落ちなかったというか、、感覚的にすっと理解できなかったというか。違和感満載だった。

そもそも等式って左右一緒だろう、と。。

確かに、

1/3 =0.333・・・より、

1= 1/3 x 3
=(0.333・・・) x 3= 0.9999・・・

よって 1=0.9999・・・

もしくは

x=0.999・・・とおくと 10x=9.99・・・
この2式を左辺同士、右辺同士をひき算して

10x-x=(9.999・・・) – (0.999・・・)=9 から
9x=9 より x=1

もとは x=0.999・・・より 1=0.999・・・

他にも証明は色々とあり、どうやら1=0.999・・・は成立していようだと。
わかるんだけど、、んー。。。どう納得するかと。

実数を離散系(デジタル的に)考えてはいけない。矛盾に陥る。。

改めて考えてみた。数字を見るときにどうしてもデジタル的にみてしまう事が原因
(数字を離散系でとらえている)。

同じじゃないという感覚は、きっとここからきている。つまり、

  1. 1と0は当然同じではない
    -> 1 ≠ 0
  2. 数直線の解像度を一桁あげて、1.0に一番近い数字0.9と比較しても、1.0と同じにはならない
    (解像度:1/10、最小単位:0.1)
    ->1 .0 ≠ 0.9
  3. 解像度をもう一桁あげてみても、一番近い0.99は1.00と同じではない
    (解像度:1/100、最小単位:0.01)
    -> 1.00 ≠ 0.99

当たり前だが、このまま解像度を上げていっても ”≠” は “=” に切り替わる点は、この考え方の延長にはない。
-> 1=0.9999・・・・にはたどり着かない

なのに、最後は”=”になる。

(デジタル的に)数字に有限な解像度を勝手に導入して、実数の世界をとらえていることが問題。

実数は連続系(アナログ的)。見方を変える

そもそも(大前提の)実数の連続性を忘れている。

0.9999・・・の 極限を示す”・・・” をすっとぱしている。
つまり実数が連続であることを忘れている。

実数であるという事は、お題の右辺の ”0.999・・・” は、
切れ目なくつながっている連続した点の集合体”(アナログ信号的)。

この意味は、どれだけ拡大しても、数字は必ず存在して、かつ滑らかにつながっている。

つまり、数字を段付きで変化するデジタル的(離散系)な考えでは、アナログ的(連続系で)な解答を求めるお題にはいきつかない。

(連続系:直線(オレンジ)、離散系:階段線(黒))

例えて言うなら、どれだけ小さなレゴブロックで坂道を作っても、滑らかな坂道にはならないのを知っているのに、一生懸命レゴブロックを小さくして滑らかな直線をしようと頑張っている感じ。

->(無限小をとりあつかう)連続系に頭を切りかえる必要がある。

連続系で(アナログ的に)再度考える:

1を1.000・・・ と書き直す

連続性についてはこちらにも

さて、ざっくりと”連続”とは点と点がつながっており、切れ目がないという事。
”切れ目がない”の意味は、数直線上のある数字を示す点Aに対して、Aより大きい数字からAに近づいても、Aより小さい数字から Aに近づいても、同じ数字である点Aに行きつくという事。

(別の点に行きつくのであれば、そこは切れ目となる(連続ではない)。)

さて、まず左辺の1の解像度を無限大にしてみる。

つまり、1=1.000・・・として

1.000・・・ = 0.999・・・

(1.000・・も0.999・・ともに小数点以下は無限に続くと考える(実数表記)。)

さてこの形で見るとこの式は、左辺( 1.000・・・ )は大きい方から1に近づく数字の様子、 小さい方から近づく数字の様子が右辺(0.999 ・・・ )と見る事ができる 。

これは ”極限においては、この両辺の示す点は等しい” 事を示している。

つまり、極限では同じ点に行きつき重なる(一致する)= 連続しているの意味となる。

またこれが、”実数は個々の存在そのものに連続性という極限概念がある” 、の意味。

無理数は当然として、有理数(整数、分数)も、実数の世界では無限小数。

整数のようなきりの良い数字はない
(数直線を切れば、切りのいい数字に確定はできる、が、連続性はなくなる。)

つまり、無限小数をもつ事が、点同士が極限でつながっている事、つまり連続性(アナログの世界)を示唆している
(デジタルの様に数字が階段上に変化したのでは、数字の連続性は保てない(切れ目ができている))

無限小数への抵抗感はなくしておこう

この感覚のベースは、無限小数への抵抗感がなくすこと。

つまり、実数の世界ではそもそもすべての数字が無限小数で表される事が当たり前。。と思っておけばよい。

実数の世界からみれば、慣れ親しんでいる1とか2.5とか切りの良い整数、小数、分数(つまり有理数)の方が特殊。このような簡易表記が可能な数字は少数派。
(無理数の簡易表記もほんの一部(πとかeとか)あるが。。)

こうしてみると、お題は、

”実数が連続している”という事の意味を感覚的に捉えられているか?

が、この式の意味を感覚から理解できるかのカギとなる。

有理数、無理数については以下、同じ観点

連続性について、より正確な(数学的な)捉え方(入り口)は、以下の本がおススメ。読み物としても面白い。

追記

ちなみに、解像度(最小単位)をもつデジタル信号(離散系)で動く機器(電卓とか)では、極限が弱点なのはよく知られている(電卓も計算誤差が発生する)。連続性が持てない。。

(例えば、(1÷3)x3=0.999となる電卓は存在するし、お題は電卓で1/3=0.3333・・を確定させると、それ以降の同一内計算では解像度による誤差が発生するため”=”は成立しない。)

まぁ、実用上困らないし、そのまますっと理解できる人もいるだろうしで、引っかからなければ素通りするところなのだろうけど。。

タイトルとURLをコピーしました