はじめに
(もちろん、正確な数字は電卓で計算するけど、、、)
小数点付き指数表示で、
\( 10^{2.7} \) <- だいたい500ぐらい、、、
\( 10^{4.3} \) <- だいたい20,00ぐらいかな、、、
と、慣れればざっくりイメージで元の値が浮かぶ(&対数の感覚も同じ)。この仕組みを知ってれば何かと便利。。。といったわけで、この感覚のつかみ方の覚書。
まずはべき乗(底と指数)の見方から書いておこうかと。
たし算、ひき算(マイナス乗)とか分数乗等々、普段あまり見ない形での指数の仕組みもついでに
(仕組みがわかれば、あれ?って事が少なくなる。暗記不要)。
指数(べき乗・累乗)の意味からはじめて、指数部分の足し算-> 引き算 -> かけ算 -> わり算(分数)へ。
べき乗と指数
べき乗とは、任意の実数を abと表す数式表示:底と指数
べき乗とは、任意の数字を \( a^{b} \) と表す表示方法であり、
- \( a \) を”底”、肩にのる\( b \) を”指数”
と呼ぶ。また、\( a \) の \( b \) 乗という。
( ちなみに”累乗”とは指数 \( b \) が整数の場合 -> 記事内では指数に整数以外も使うので、”べき乗”で統一 )
指数の見方
まずは指数のイメージをつかむために簡単な例から。
\( b \) が整数の場合、\( a^{b} \) は
\( a^b= \underbrace{a \times a\times \cdots \times a}_{同じaをb個かける} \)
である。
また、\( a^{b} \) に対して、指数を \( b+1\) にする事は元の数字にもう一度 \( a倍 \ ( \times a ) \) する事 ( \( a^{b} \times a = a^{b+1} \) )
これは見方をかえれば、指数bが+1増える事は、 (底aの) a進法での値の桁数が1桁上がる事に等しい。
→ 底の \(a\) をつかった \(a\) 進法で表した時、指数の整数部分 \(b\) は桁数を示唆。
これが指数のイメージをとらえる最初の一歩。
つづいて、小数部分。
例えば528は10進法で桁別表示をすれば、
\( 528= 5 \times 10^2 + 2 \times 10^1 + 8 \times 10^0 \) ・・・①
(102の位:5、101の位:2、100の位:8)
だが、これは、 \( 5.28 ≒ 10^{0.7226} \) と \( 100 = 10^2 \) を利用すれば
\( \begin{align}
528 &= 5.28 \times 100 \\[6pt]
&= 5.28 \times 10^2 \\[6pt]
&≒ 10^{0.7226} \times 10^2 ・・・② \\[6pt]
&= 10^{0.7226+2}\\[6pt]
&= 10^{2.7226} ・・・③ \
\end{align} \)
とも書ける。
さて、①式と②式比較すれば、②式においての”528”べき乗表示は、①式の桁の最高位の100の位 ( \( \times 10^2 \)) だけを使用した表示。
ただ③式をみれば、桁数表示部分(\( 10^2 \) の位)は指数の整数部分で残っており、小数部分と切り分けられている。
つまり、
- 指数内にて”桁数”を示す指数の整数部分→ 2
と - ”数字の並び”を示す指数の小数部分 → 0.7226
の足し算 (\( 10^{2+0.7226}=10^{2.7226} \) ) により、元の値528をべき乗で表示している、とみることができる。
ざっくりいえば、こんな形
任意の値 = \( 10^{\displaystyle {(桁数を表す指数の整数部分)+(数字の並びを示す指数の小数部分)}} \)
での読み取り方が可能。 つまり、
\( a^{b} \) を \(a\) 進法で表した時、”桁数”は指数の整数部分が示唆、また”数字の並び”は、指数の小数部分であらわされている、
とみてしまえばよい。
さて、続いて指数の ”足し算”と”引き算”について
指数計算のしくみ :足し算、引き算、かけ算、割り算
指数の足し算のしくみ
さて、指数をたし算するときの中身。
式の感覚をつかむのに、\( a^{4} \) と \( a^{2} \) を例とる。\( a^{4} \) と \( a^{2} \) をかけると、べき乗の定義から
\( \begin{align}
a^{4} \times a^{2} &= ( a \times a \times a \times a) \times ( a \times a )\\[6pt]
&= a^{6} = a^{4+2}
\end{align} \)
底が同じであれば、べき乗の定義から指数の足し算はそのまま成立。<- これが指数の足し算の感覚。
一般的には \( b=m+n \) のとき
\( a^{b}=a^{m+n}=a^{m} \times a^{n} \) ・・・④
引き続き指数の引き算、かけ算、わり算へ
指数の引き算のしくみ
では、続いてひき算。
指数部分の”-”(マイナス)の意味について
こちらも式の感覚をつかむのに、\( a^{6} \) と \( a^{-2} \) で考えてみる。
べき乗の定義に従って掛け合わせると
\( a^{6} \times a^{-2} = ( a \times a \times a \times a \times a \times a) \times ( a^{-2}) \) ・・・⑤
注:今回は、a^{-2}はわからないので一旦そのまま
これが\( a^{4} \)と等しい。というのも、指数の足し算の定義から\( a^{6+(-2)}= a^{4} \) ← ただの引き算)
\( a^{4} \)は、\( a^{4} = ( a \times a \times a \times a ) \)、これと⑤式が等しいので
\( a^{4} = ( a \times a \times a \times a )=( a \times a \times a \times a \times a \times a) \times ( a^{-2}) \)
これから \( a^{-2} \) を求めれば、
\( a^{(-2)}=\dfrac{\cancel{a \times a \times a \times a}}{\cancel{a \times a \times a \times a} \times a \times a} =\displaystyle\frac{1}{a^2}
\)
つまり、
\( a^{-2}=\displaystyle\frac{1}{a^2} \)
見てのとおり、指数がマイナスであれば、べき乗は逆数となる。
(分母にまわって割る数になる)
一般的には
\( a^{-b}=\dfrac{1}{a^b} \) ・・・⑥
桁数でとらえれば指数の引き算は、元の桁数の桁下げとなる。
指数部分を \( b=m-n \)とすれば、より一般的な表記は、
\( a^{b}=a^{m-n}=a^m \times a^{-n}=\displaystyle\frac{a^m}{a^n} \) ・・・⑦
となる。
続いて 指数の”かけ算”と”割り算”について
指数のかけ算のしくみ
続いて指数部分のかけ算の\( a^{m \times n} \)。 また \( a^{6} \) を例にとってみる。
指数部分を\( 6=2 \times 3 \)とするとその中身は
\( a^{6} =(a \times a) \times (a \times a)\times (a \times a) =(a^{2})^3 \)
となる。
つまり、aの2乗を一つの数字見立てて、さらに3乗したもの。よって、
\( a^{6} =(a^{2})^3= a^{2 \times 3} \)
である事がわかる。
一般的には \(b=m \times n \)とすれば
\( a^{b} = a^{m \times n} =(a^{m})^n \) ・・・⑧
指数の割り算のしくみ(分数)
最後にわり算。
\( a^{\frac{m}{n}} \) のような指数部分に分数がのった場合の計算
\( a^{\frac{1}{2}} \) を例にとって中身をみてみる。上のかけ算を利用すれば
\( a=a^1=a^{\frac{2}{2}}=(a^{\frac{1}{2}})^2 \)
この \(a^{\frac{1}{2}} \) に着目する。\((a^{\frac{1}{2}}) \) は2乗すると \( a \) になるもの、つまり
\( a^{\frac{1}{2}}=\sqrt{a} \)
である。指数が分数の場合、分母部分である \( n\) は \( n\) 乗すると \( a \) になる事を示す。つまり累乗根。
一般的には、
\( b=\displaystyle\frac{m}{n} \) のとき
\( a^b=a^\frac{m}{n}=(a^\frac{1}{n})^m=(\sqrt[n]{a})^m \) ・・・⑨
指数が分数の場合の\( a^\frac{m}{n} \) の意味は
- 分母nは \(a\) の \(n\) 乗根 (\( a^\frac{1}{n} \)) を意味し、
- 分子mは \( a^\frac{1}{n} \)をm乗する事を意味する
つまり指数が分数である場合は、累乗根(分母)と累乗(分子)の組み合わせとなる。
最後に
\( a^\frac{1}{2} \) とか \( a^{-2} \) とか \( a^{2.56} \) とかとか、、、あれ?となるときがあっての、一応の備忘録。
結局は、任意の実数の(累乗を使った)別表記。ちなみに指数部分だけに特化したのが対数。
よって、指数の性質がわかれば対数の計算のイメージもほぼ同じ。指数部分を抜き出しているだけなので性質は同じ。。。
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