商品開発における”商品魅力”と”顧客満足度”とは
一旦、お客さん側(商品を買う人)の立場から考えてみよう。
さて、今、スーパーの野菜売り場にいるとします。
トマトを買おうとしています。
目の前には似たような値段で同じようなトマトが何種類も並んでいます。真っ赤なとまと、色艶のいいトマト、とても大きなトマト。
商品魅力
さて、どれに手を伸ばしますか?
今、手を伸ばしたトマト、理由はなんであれ、多くの人が手を伸ばしてくれるトマト、そんな商品を作るのが商品開発の第一歩。
つまり、商品魅力が高い事。ここは当たり前かと。
(一般には商品Specが優れているとか、カッコがいいとか、値段が安いとか)
顧客の満足度を向上させる意味
話は続きます。
うちに帰ってそのトマトを食べてみました。感想を概略3つに分けます。
(期待値を100点すると)
- まずい(平均点以下)
- ふつう(特に感想なし)、ふつうにうまい(平均点~100点(期待値))
- “はっ“とするぐらいうまい(101点以上(期待値以上))
さて、それぞれの感想において、自分のとるリアクションとしては
- まずい・・そのトマトを覚えておいて、もう二度とそのトマトは買わない!
- ふつう、うまい・・印象薄。わざわざそのトマトを覚えはしない
- “はっ”とするぐらいうまい・・そのトマトを覚えておいて、次もそのトマトを買おう
となるでしょう。ここが商品開発の二歩目。顧客の満足度。
お客に、こりゃ予想以上にうまい!時のみ(101点以上)、トマトを作ったその人の勝ち。
気を付けなければならないのは、期待値通り(100点)では満足とはならない事。その商品がどこかで自分の期待値を超えない限り、人は満足はしない。期待値通りの商品は、”ふつう”の商品である。
リリースする際の下限は?
さて、それが出来なかった場合でも守らなければならないレベルがある。
下限は、お客さんの期待値と同等レベル。
-> まずいとも思わないが、はっとする程もおいしくない。つまり期待値通り。
何故ならば、次の購入で無条件で選ばれる理由には結びつかないが、選択肢から排除される事もない。
やってはいけない事
さて、明らかではあるが、絶対にやってはいけないレベルは、 このトマト、まずい!と思われる事。
つまり、買った人をがっかりさせること、幻滅させること。
次からは、これはやめておこう!と無条件に排除され、もう二度と買ってもらえなくなる。
わかっているならそんな商品出てこないだろうと思うかもしれないが、実際には結構ある。
作っている人たちは、気づいている。
(もしくは作っている人たちも、意外とリリースする時には自己正当化してしまう場合。売れなくて気づく。自制要)
先を見るのであれば、とめる勇気も必要。常に、下限は守らなければならない。
商品魅力と顧客満足度の観点
さて、商品開発の話にもどって
お客さんが、どれでもいいトマトから一つ選ぶときに、そのトマトには選ばせる魅力がある事。続いてそれを食べたときに、お!と思わせ、これは良い!と満足させられること。
これができれば、次からお客さんはそのトマトを探し出してでも買ってくれるであろうし、運がよければ同じ生産者が作っているレタスまで手を伸ばしてくれる可能性も出てくる
お客さんは、自分の期待値以上の”何か”を、その商品の中に見つけた場合のみ満足し、ファンとなる。そして、次の購入時にリピーターとなる。
-> お気に入り化とお客さんの囲い込み、ブランド化のはじまり
一旦こうなると強い。このファン層は他の商品/ブランドに手を伸ばす機会は下がり、他ブランドは相当商品魅力の高い商品をリリースしない限り、このファン層を自分のお客さん層に取り込む事は難しくなる。
ポイントは二つ
- 商品魅力
:同じような商品が並んでいる中でその商品がピックアップされるだけの理由があるか - 商品にお客の予想を超える何かが潜んでいるか
:顧客を囲い込めるほどの、満足、驚きがあるか
だれでも自分のお気に入り/定番はあるかと思う。それが何故に気に入ったのか、買い続けてしまうのか、自分の中で振り返れば、上の事は当たり前のことだと気づくのはそれほど難しくはない。しかし、何故か作る方にまわった瞬間に忘れがち。。。
追記
何かを買う時には、皆、商品への期待値をもって買う。作る側がこれを忘れたり、勝手に作り出すと痛い目にあう。お客さんが一瞬でも幻滅をした瞬間、終了。言い訳はきかないのである。
開発途中においては様々な制限があり、リリースする商品は出来なりのモノとなることは多々ある。
で、まぁ、総じて期待値通りの普通の商品で落ち着く。
結果、ヒット商品、定番商品が生まれにくいのはしょうがないのかも。。か。。