ベクトルとは
ベクトルとは空間上の始点(A)と終点(B)の二点を結ぶ線分
この始終点を持つことにより、
- 大きさ(長さ)
- 向き(始点->終点)
の”二つの量を同時に持つ”。
これが計算上色々と便利
ベクトルの定義
点Aから点Bに向かうベクトルは
- AB
ベクトルそのものを表示する時は、
- a(= AB)
大きさをt倍したものは
- t・a (= t・AB)。
と書く。
始点と終点を入れ替えたベクトル BAは、AB とは向きが反対。マイナスを使って
- BA = –AB
で表す
ちなみに、ベクトルに対し大きさを表す量はスカラー量と呼ばれる(上でいえばt)。
- t : スカラー量 ( t・AB はベクトル量)
また、大きさ(長さ)と向きが同じであれば、同一ベクトル。つまり平行移動させても、ベクトルとしては同じ。
ベクトルの成分
任意の点Oを中継させる場合を考える。
AB=AO + OB、 AO = – OA
から
AB=OB – OA ・・・①
(Oを基点にABの終点側から作ったOBから始点側のOAを引く(図③))
さて、成分計算をしておく。
Oを原点にもつO-XYZ座標系(直行座標)を設定する。
O-XYZ上の 点A & 点B の座標を
- 点A: \( ( x_a~,~y_a~,~z_a ) \)
- 点B: \( ( x_b~,~y_b~,~z_b ) \)
とすれば、
①式より、ABの成分\( \left ( \begin{array}{c} \alpha_x \\ \alpha_y \\ \alpha_z \end{array} \right ) \) は AB=OB – OA より、成分表示すれば
\( \left ( \begin{array}{c} \alpha_x \\ \alpha_y \\ \alpha_z \end{array} \right ) =\left ( \begin{array}{c} x_b \\ y_b \\ x_b \end{array} \right ) – \left ( \begin{array}{c} x_a \\ y_a \\ x_a \end{array} \right ) = \left ( \begin{array}{c} x_b-x_a \\ y_b -y_a\\ z_b-z_a \end{array} \right ) ・・・① \)
となる。
ベクトルの大きさ
ベクトルの大きさは、|AB|で表記される。
その値は①を使って
\( \begin{align} | \overrightarrow{AB}| &= \sqrt{ {\alpha_x}^2 + {\alpha_y}^2 +{\alpha_z}^2} \\[4pt] &= \sqrt{ (x_b-x_a)^2 + (y_b-y_a)^2 +(z_b-z_a)^2} \end{align} \)
-> 見ての通り、2点間の距離を求める式と同じ。
追記
さて、以上を踏まえて、内積、外積の計算へ。