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1. ボルト(ねじ)の設計検討が面倒な時でも最低限これぐらいの確認は。。。

ボルト(ねじ)設定の知っ得

部品を組んだり、ばらしたり。。。締結の時に知っておくと便利なコトを。

ちなみに、締結時のトルク設定方法の計算概要は、こちらにて。。。

締結部のざっくり確認(チェック項目)

理論計算はあるにせよ、実際には踏襲/模倣/経験ベースで設定する場合がほとんど。
->ねじの設定箇所すべて計算をしていたら、時間がなんぼあっても足りない。

ただしである。

じゃー何も確認しなくてもいっか!と言うわけではなく、前の仕様を踏襲するにしろ、模倣するにしろ、設計上何かしらの新規部分が含まれる場合、念のため変な設定/仕様になっていないかのチェックぐらいはしておいた方がよい。

じゃぁ、何を。。。のざっくりとしたチェック項目を補足で。

チェック項目は、以下の6項目。

ねじ締結部のざっくり確認項目 (6個)

  1. ねじの座面が安定的に確保されているか
  2. ボルトの軸力が保持できる構造(設計)となっているか
  3. ボルトに伸び代があるか
  4. 材料強度に応じためねじとのかかり代が確保されているか
  5. 被締結体を固定する荷重に対してボルトの本数は十分か(軸力の総計は十分か)
  6. 設定されたトルクが、サイズに応じたトルクの範囲(目安トルク)から大きく逸脱していないか

絵で書けば、以下(締結部断面を思い浮かべて、ボルトの上からぐるっと回る感じ)

観点としては

ねじの座面が安定的に確保されているか

ねじの座面が安定して確保されるか?が主な観点。つまり

  • ボルトの下穴径、ワッシャー内径が無駄に大きくないか(被締結体側が長孔の場合も含む)
  • 座面の平面、平坦が確保されているか
    -> 軸直の平面が確保されているか(座面が片当たりしていないか)、被締結部品のR部に座面がかかっていないか)
  • 他の部品との不要な干渉・噛み込みが発生しないか

等々

ボルトの軸力が保持できる構造(設計)となっているか

軸力により被締結体に変形、へたり、摩耗、座屈(陥没)等が起きないか

ボルトに伸び代があるか

小さくてもNGではないが、ゆるみやすい。 -> こちらの記事参照

材料強度に応じためねじとのかかり代が確保されているか

目安としては、めねじ材(d:ねじ径):

  • 鋼/アルミ展伸材 ->d-1.5d
  • アルミ鋳物 ->2d

-> こちらの記事参照

被締結体を固定する荷重に対してボルトの本数は十分か(軸力の総計は十分か)

ボルトせん断方向

保持荷重の目安としては、

  • 保持荷重=ボルト一本当たり軸力x摩擦係数

例えば、軸力1000kgf発生、摩擦係数0.1のボルトであれば、保持荷重は100kgf。
->ボルト一本で締結されている部品に対する想定入力Gが10Gであれば、自重だけだとしても10kgぐらいまで。
(へたりとか軸力低下踏まえれば、もっと下がる)

ボルトの回転方向

ボルトの回転方向の荷重入力は、あまり考えなくても大丈夫かと。
(ほとんどの場合複数本で締結してあり、またこのざっくりチェックのレベルであれば)

ただ、ゆるめ方向のトルクがはいった場合、当然ボルトは簡単に緩むので、近接した部品がボルト頭部に接触するなんて場合は気をつけた方がよい、。。。

ボルトの軸方向

軸方向の外力入力に対しては、内外力比(締付け線図)に依存。上の伸び代の話と関連ありこちらの記事

ねじ一本の外力の分担荷重と発生軸力を比較すれば、真面目に確認するレベルか、そうでないレベルかの見通しは大体つく

設定されたトルクが、サイズに応じたトルクの範囲(目安トルク)から大きく逸脱していないか

非常におおざっぱな目安のトルク範囲は以下。

大体、

  • M6 ->10N・m 台
  • M8 ->20N・m 台
  • M10->30N・m 台
  • M12->50N・m 台

ぐらいを目安に記憶しておけば、変な設定値があった時に気づきやすい
(ex:M6で20N・mなんて設定値があれば、あれ?ん??と頭の中で警報が鳴らせる)

この程度の確認であればそんなに時間はかからない。ざざーっと見ておいても損はない。

ついでに

”知っておいて便利なコト”ついでに、次の記事では、締結”後”に発生する問題の破断とゆるみについて

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