座標軸の定義
まずは、目の前の3次元の世界で考えていく
(こむずかしくいえば3次元のユークリッド空間を考えていく)。
ちなみに、高次のユークリッド空間は定義を拡張して、次元を増やしていくだけなので、ここでは詳細割愛。
直交座標系の規則
さて、解析において座標系を設定する時の規則を以下に
(JISでもISOでも同じ定義)
直行系
座標軸の各軸は全て互いに直行 (各軸は互いに影響しない)
右手系
三次元における3つの軸は右手系で定義 (右手の指で定義)
- x軸:親指
- y軸:人差し指
- z軸:中指
(指先の方向が正)
右ねじ系
回転方向の正負は、右ねじ系で定義
回転の正方向とは、各軸の正方向と右ねじが進む方向(時計回り)を合わせたときに、ねじが進む回転方向が正
例えば
- z軸まわりの回転は、x軸->y軸方向の回転が正
- x軸まわりの回転は、y軸->z軸方向の回転が正
- y軸まわりの回転は、z軸->x軸方向の回転が正
複数の座標系
空間上の座標系は一つである必要はない。
グローバル座標(絶対空間の定義)、ローカル座標(その空間内を移動する物体に固定された座標)と、複数設定可能。
座標表示
n次元空間上の任意の点の各軸の成分表示として、
- 列方向:\( \left ( \begin{array}{c}
a_{0}\\
a_{1} \\
\vdots\\
a_{n}
\end{array} \right ) \)
もしくは、
- 行方向:\( \left ( a_{0},~a_{1},~\ldots,~a_{n} \right ) \)
で表し、これは列ベクトル、行ベクトルと同じ表記。
例えば、3次元空間上の任意の点のxyz座標は、\( \left ( \begin{array}{c}
x\\
y \\
z
\end{array} \right ) \) もしくは \( \left (x,~y,~z \right ) \) となる。
極座標表示:ピタゴラスの定理から三角関数、極座標表示への展開
ピタゴラスの定理
三角関数の導入前にピタゴラスの定理から、
三角関数と円
さて、前述のピタゴラスの定理で使用した直角三角形OAB の辺OAと辺OBのなす角をθとして、三角関数の定義を行う。
これを利用すれば
\(a = c\cdot cosθ \) , \( b =c\cdot sinθ \) ・・・②
これをピタゴラスの定理(①式)に代入すれば、
\( (c\cdot cosθ)^2+ (c \cdot sinθ)^2=c^2 \) 、両辺からcが消えるので
これも cosθ と sinθ の基本的な関係式としてよく見る(が、とどのつまりがピタゴラスの定理と同義)
極座標
さて、x-y座標系にて点Rの座標を \( \left ( \begin{array}{c}
x\\
y \end{array} \right ) \) とし、
- 原点Oと点Rの距離:r
- x軸とORのなす角:θ
を導入すれば\( \left ( \begin{array}{c}
x\\
y \end{array} \right ) \) は、右図を参照に②式(三角関数の定義)を使えば、
この \( \left ( \begin{array}{c}
x\\
y
\end{array} \right ) \)を r とθ の2変数で表したものを極座標という。
r を一定にθのみを変えていく点は、中心からの一定の距離rを保った点の軌跡、つまり円。
今回もまた極座標の成分(④式)を、①式のピタゴラスの定理に当てはめれば
\(x^2+y^2= (r \cdot cosθ)^2+(r \cdot sinθ) ^2= r^2 ( cos^{2}θ+ sin^{2}θ) = r^2 \)
\(x^2+y^2= r^2 \) <- 円の公式
極座標表示 (r, θ) にて、θ を一定に r を変えていけば点の軌跡は直線を描き、r と θ を共に変えていけば曲線を描く。
追記
結局、ピタゴラスの定理も、sin2θ + cos2θ =1 の関係式も、円の方程式(x2 + y2 = r2)も、見方を変えてその特徴を別表現しているだけ。
ちなみに、極座標とわざわざ宣言して使用されているわけではなく、特に曲線/円を描く場合に、x成分、y成分表示として、式の中に普通に紛れ込んでいる。