前回の記事は三段論法、それを使った詭弁について
今回は、三段論法の規則(包むという事)の定義と誤りを利用した詭弁について
三段論法内の命題(主張)の規則
命題における概念:”包む”ということについて
一つの命題の概念にて「包まれている」「包まれていない」に考慮することが役に立つ。
概念Xが含まれる場合とは・・・「(全称文)全てのXは~」もしくは「(否定文)~はXでない。」の場合
概念Xが含まれない場合とは・・「(特称文)あるXは~ 」もしくは「(肯定文)~はXである。」の場合
つまり概念Xを概念A&Bにして、図にかけば
(下線あり:概念が包まれる場合)、
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つまり、
例えば
「ある詩人は金持ちではない」(上図④)といった主張の場合、
「ある詩人」は限定できない(=含まれない)が、「金持ちではない」事からは金持ちではない詩人を限定できる(=含まれる)
「ある詩人は金持ちである」(上図②)という主張になった場合、
「ある詩人」は限定できない(=含まれない)、また、「金持ちである」事には詩人以外の金持ちが含まれるため限定できない(=含まれない)。
また、
「全ての妖怪は超能力者ではない」(上図③)という主張では、
「妖怪」は全て限定できる(=含まれる)、「超能力者ではない」事からは超能力者ではない妖怪を限定できる(=含まれる)。
「全ての妖怪は超能力者である」(上図①)という主張では、
「妖怪」は全て限定できる(=含まれる)が、「超能力者である」事には妖怪以外の超能力者が含まれるため限定できない(=含まれない)。
さて、これを踏まえ、三段論法には次の規則がある。
三段論法における、”包むということ”の規則
媒概念を包まない虚偽:媒概念は二つの前提の少なくとも一方で、包まれていなければならない。
もし聞いていても、ん?その話の流れはおかしいだろうと気づきはするが、一応図でかけば、
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-> 結論で限定できないのはこの図の通り。この種の詭弁を「媒概念を包まない虚偽」という。
この場合、小前提で「全ての人間は・・・」とすれば成立つ
聞いていてもすっきり頭に入る。図でかけば
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となる。
不当に包む虚偽:前提で包まれていない概念を、結論で包んではいけない。
前提で包まれていない概念を、結論で包んではいけない。このパターンも詭弁
この種の詭弁を「不当に包む虚偽」という。
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これも論理の誤りはともかくよく聞いていれば、たぶん何かおかしいと気づくかな。。
ともかくさて、三段論法にも色々な変形型/複合形がある。次の記事にて