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コミュ-3)-2.4. 詭弁術を知っておく(三段論法の規則(包むという事の定義)と、その誤りを利用した詭弁について)

3) 詭弁・強弁

前回の記事は三段論法、それを使った詭弁について

今回は、三段論法の規則(包むという事)の定義と誤りを利用した詭弁について

三段論法内の命題(主張)の規則

命題における概念:”包む”ということについて

一つの命題の概念にて「包まれている」「包まれていない」に考慮することが役に立つ。

概念Xが含まれる場合とは・・・「(全称文)全てのXは~」もしくは「(否定文)~はXでない。」の場合
概念Xが含まれない場合とは・・「(特称文)あるXは~ 」もしくは「(肯定文)~はXである。」の場合

つまり概念Xを概念A&Bにして、図にかけば
下線あり:概念が包まれる場合)、

つまり、

主張Pの中で、ある概念 X が “含まれている” とは、

  • 概念Xにて主張される”全てのもの”が、その主張Pに関係している事である。
    (要は主張Pにおいて、概念Xが限定できるかどうかという事)

例えば

「ある詩人は金持ちではない」(上図④)といった主張の場合、
「ある詩人」は限定できない(=含まれない)が、「金持ちではない」事からは金持ちではない詩人を限定できる(=含まれる)

「ある詩人は金持ちである」(上図②)という主張になった場合、
「ある詩人」は限定できない(=含まれない)、また、「金持ちである」事には詩人以外の金持ちが含まれるため限定できない(=含まれない)。

また、

「全ての妖怪は超能力者ではない」(上図③)という主張では、
「妖怪」は全て限定できる(=含まれる)、「超能力者ではない」事からは超能力者ではない妖怪を限定できる(=含まれる)。

「全ての妖怪は超能力者である」(上図①)という主張では、
「妖怪」は全て限定できる(=含まれる)が、「超能力者である」事には妖怪以外の超能力者が含まれるため限定できない(=含まれない)。

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さて、これを踏まえ、三段論法には次の規則がある。

三段論法における、”包むということ”の規則

媒概念を包まない虚偽:媒概念は二つの前提の少なくとも一方で、包まれていなければならない。

「ソクラテスの妻は人間である」&「ある人間は哲学者である」
故に「ソクラテスの妻は哲学者である」は”偽”(詭弁)

媒概念「人間」がどちらの前提においても包まれていない(限定できていない)。

もし聞いていても、ん?その話の流れはおかしいだろうと気づきはするが、一応図でかけば、

-> 結論で限定できないのはこの図の通り。この種の詭弁を「媒概念を包まない虚偽」という。

この場合、小前提で「全ての人間は・・・」とすれば成立つ

「ソクラテスの妻は人間である」&「全ての人間は哲学者である」
故に「ソクラテスの妻は哲学者である」は”正”

媒概念「人間」が小前提にて包まれている(”人間”が限定できている)。

聞いていてもすっきり頭に入る。図でかけば

となる。

不当に包む虚偽:前提で包まれていない概念を、結論で包んではいけない。

前提で包まれていない概念を、結論で包んではいけない。このパターンも詭弁

「ソクラテスの妻は男ではない」&「ある男は子持ちである」
故に「ソクラテスの妻は子持ちではない」は”偽”(詭弁)

前提のどちらでも包まれていない概念「子持ち」 を、結論で包んでいる。
(媒概念「男」は大前提で含まれてはいるが、、)

この種の詭弁を「不当に包む虚偽」という。

これも論理の誤りはともかくよく聞いていれば、たぶん何かおかしいと気づくかな。。

ともかくさて、三段論法にも色々な変形型/複合形がある。次の記事にて

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