はじめに
Sonyの α7Riii にアダプターつけて保有のPentaxレンズ使っていたが、それまでのPentax縛りの中では使いようがなかったシネマレンズも遊べることに気づいた(遅ればせながら。。。)。
使ってみると、確かにおもしろい。価格も手ごろで写りも好みなレンズもまだ結構流通している。
<- サイト情報も一杯あるしずいぶん前から盛り上がっていたみたい、使ってみるとよくわかる。。。(いままでは他のレンズ使っても、しばらくすると、まぁPentaxのFA Limitedの三本使い(31mm,43mm,77mm)でいっか。。と戻っていたのが、いや待てよと)
で、以下はシネマレンズをデジカメで使う時の規格の差についての覚書
(たいして調べずに買って、あれ?思ったよりケラレるな。。。ってなったのがきっかけ)
ざっくりと、
- 35mmシネマレンズ
→ APS-Cのサイズまでは、どの35mmシネマレンズでもケラレはほぼ”なし”
(35mmフルサイズのデジカメは、レンズ次第(イメージサイクル次第:特に広角寄りのレンズ(50mm以下)要注意) - Cマウントレンズ
→ 1″型センサーのデジカメ(Nikon1のみ)までは、どのCマウントレンズでもケラレはほぼ”なし”
(マイクロフォーサーズデジカメでは、レンズ次第(イメージサイクル次第:特に広角寄りのレンズ(25mm以下)要注意) - Dマウントレンズ
→ 1/2.3″型センサーのデジカメ(PentaxQ,Q10のみ)では、どのDマウントレンズでもケラレはほぼ”なし”
(1/1.7″型(PentaxQ7,QS-1のみ)では、レンズ次第(イメージサイクル次第:特に広角寄りのレンズ(12.5mm以下)要注意)
以下は調べた事。イロイロ背景とか規格の概要とかが知る事ができて面白かった。
まずは映像用と写真用の基準合わせに、、、”35mm”について。
つまり、映像用の”35mmシネマサイズ”と 写真用の35mm ”ライカ版サイズ” の比較
映画用の ”35mmシネマサイズ” と 写真用の ”ライカ版” (ライカフォーマット、35mmフルサイズ)
フィルムの”35mmシネマサイズ” と呼ばれるサイズは、35mmフィルムを使った映像撮影(商業用映画)に使われる時の画像 1コマのサイズ( 露光面サイズ:24mm(横) x 18mm(縦) )。
また、ライカが同じ35mm幅のフィルムを写真に使用する際の 写真1コマのサイズとして規定したのが、”ライカ版” (ライカフォーマット)。
両規格とも使用するフィルム幅は同一の35mm、同じ幅のフィルムを映像用では縦方向で使用、写真用では横方向で使用
(確かに、(昔のカメラ思い出すと)映画用のフィルムは縦に流れるけど、写真のフィルムは横に流れる)
で使われるが、ライカは写真向けに
- 35mmシネサイズの撮像面の横幅をそのまま縦幅に → 縦幅24mm
- シネマ2コマ分を1コマ化して横幅に→ 横幅36mm (=18mmx2)
として規格化。
つまり、この露光面(36mm(横) x 24mm(縦) )のサイズが、”ライカ版 (ライカフォーマット)” となる。

で、
このライカ版と同じサイズ(フォーマット)の画像センサーをもつカメラが、 ”35mmフルサイズ” のカメラと呼ばれる。
-> 35mmフィルム時代の写真の露光面サイズ と(フルで)同じサイズという意味みたい
(センサーサイズには、それよりも小さいAPS-C、4/3型があるのでわざわざ”フル”もつけたのかと)
- 写真用 ”ライカ版 (ライカフォーマット)”/ ”35mmフルサイズ” : 露光面サイズ 36mm x 24mm
- 映像用 ”35mmシネマサイズ” : 露光面サイズ 24mmx 18mm
映像用 35mmシネマサイズ / 写真用 35mmフルサイズ(ライカ版) 比較
- 露光面サイズは違う:
- 35mmシネマ /ライカ版 = 24mmx18mm / 36mmx24mm
- 二コマを一コマにしているので 撮像面積は単純に倍(x2)
- 35mmシネマ /ライカ版 = 24mmx18mm / 36mmx24mm
- 縦横比も変わる:
- 35mmシネマ /ライカ版 = 4:3(1.33) / 3:2(1.5)
- レンズに求められる最小イメージサークル(露光面の対角線長)も当然変わる
- 35mmシネマ /ライカ版 = 30mm / 43.3mm
映像用 35mm、16mm、8mmフィルム と レンズのイメージサークル
シネマレンズがらみで、あわせて映像用35mm/16mm/8mmフィルムの規格について
映像用フィルム幅には、 35mm、16mm、8mmのサイズがある
ちなみに、35mmフィルムの約半分が16mm、さらにその半分が8mm。これが規格のベース(単に縦半分に切っているだけ)。
用途は、35mmフィルムが映画用、フィルム幅半分の16mmも商業用ではあるが、ロケ、ドラマ等々カメラの小型化が必要な場面で16mmフィルムカメラが用いられたらしい。その半分の8mmフィルムはさらに小型化したカメラに使用され、個人用の映像撮影に用いられた。
それぞれで使用されるレンズは
- 35mm:35mmシネマレンズ
- 16mm:Cマウントレンズ
- 8mm:Dマウントレンズ
さて、16mm、8mmには各々様々な規格があるが、まずは各規格内での最大露光面サイズをピックアップ。
→ 各フィルムで使用されるレンズは、 ”最大露光面サイズをカバーするイメージサークル直径は最低確保” されているはず、との仮定から。
(していなければ、ケラレが発生するので。。。)
で、デジカメのセンサーに対するシネマレンズの位置づけがわかればいいので、最大露光面の対角線長を各規格のレンズに求められるイメージサークルの最低値と設定するのに、ざざっと調べると
- 35mmフィルムシネマ規格:24mm×18mm
→ 対角線長 30mm - 16mmフィルムシネマ規格:(最大:スーパー16)12.52mm×7.41mm
→ (最大)対角線長 14.5mm - 8mmフィルムシネマ規格:(最大:スーパー8)5.79mm×4.01mm
→ (最大)対角線長 7.0mm
デジカメセンサー規格
つづいて、デジカメのセンサー規格の一覧(上のイメージサークルの対角線長もついでに入れ込んでおくと)

追加で、デジカメセンサーがらみで調べた事をちょっと補足の覚書。
まず、35mmフィルム規格のライカ版から派生したAPS-C
APS-C
APS-Cのサイズの素性は、フィルム幅を36mm→24mmとしたAPS新規格がベース(AdvancedPhotoSystem規格:1996年当時)。
ベースのAPS-Hサイズ(H:High vision、16:9)の左右をトリミングして、ライカ版と同じ縦横比(3:2)にしたサイズにしたのが、APS-C(C:Classic)。
APS-C規格:フィルム幅が36mm→24mmに伴い露光面の縦横長も、だいたい2/3の長さ(対 ライカ版)。同じサイズがAPS-Cとしてデジカメのセンサーサイズとして使用されている。
つぎにx型センサーについて。
x型センサー
まず1″型(1インチセンサー)から。
1″型(1インチセンサー)とは、直径”1インチ”のブラウン管(CRT:昔のテレビ、テレビカメラ等に使われた撮像管)の光を感じる受光部の直径と同等のイメージサークル径(センサーでいえば対角線長)を受光できるセンサーという意味との事。この受光部の直径が15.9mmであったことから、1インチセンサーの対角線長が15.9mmで設定。
(1インチセンサーのサイズのどこかが1インチ(25.4mm)というわけではない)
この対角線長の15.9mm設定を基に縦横比を4:3で配分すれば、1インチセンサー(1″型)のサイズは13.2mmx8.8mmとなる。
また4/3″型、1/1.7″型、1/2.3″型等のセンサーサイズもこの対角線比観点で目途を付ければよい ← イメージサークルの直径比と捉えておけばOK
( 例えば4/3型センサーが受光できるイメージサークルの直径は1型の4/3倍の大きさ ( = 16 x 4/3))
ムービー規格 / デジカメセンサー規格 ざっくりまとめ
で、まとめ。冒頭のシネマレンズの使用の目安は以下の表から。
(デジカメでどのシネマレンズが使えるか、のとりあえずの目安)

数字だけではイメージしずらいので、各レンズごとのフィルム露光面のサイズと使用できそうなセンサーの比較を図にしてみた。以下。
Dマウントレンズ基準 (8mmフィルム規格用)
8mmフィルムの露光面と1/2.3”型のセンサーの大きさはほぼ同じ。1/1.7”型は一回り大きいためDマウントレンズのイメージサークルからはみ出る。
つまり
- Dマウントレンズのイメージサークルは、(Pentax Q,Q10の) 1/2.3”型センサーに必要なイメージサークルをほぼカバーしている。
→ どのDマウントレンズでもほぼOK - Dマウントレンズのイメージサークルは、(Pentax Q7,QS-1の) 1/1.7”型センサーに必要なイメージサークルに対して若干不足。
→ イメージサークルに余裕のあるDマウントレンズを選ぶ必要あり
ついでに、、、Cマウントレンズを使えば、1/1.7型のセンサーに必要なイメージサークルは十分カバーできる。
Cマウントレンズ基準(16mmフィルム用)

- Cマウントレンズのイメージサークルは、(Nikon1の) 1”型センサーに必要なイメージサークルをほぼカバーしている。
→ どのCマウントレンズでもほぼOK - Cマウントレンズのイメージサークルは、(マイクロフォーサーズ機の) 4/3”型センサーに必要なイメージサークルに対しては不足。
→ イメージサークルに余裕のあるCマウントレンズを選ぶ必要あり
(標準画角(25mm)以上であれば、結構大丈夫なレンズあるみたい)
もちろん、35mmシネマレンズを使えば、4/3”型に必要なイメージサークルは十分カバーできる。
ちなみに、Nikon1は露出から全部マニュアルになるので、シネマレンズ遊びには不向きみたい。。Cマウント基準でそろえるなら現行のマイクロフォーサーズ機使っておいた方が気苦労はすくないか。。。
35mmシネマレンズ基準 (35mmフィルム)

- 35mmシネマレンズのイメージサークルは、APS-C機のセンサーに必要なイメージサークルをカバーできる。
→ どの35mmシネマレンズでもOK - 35mmシネマレンズのイメージサークルは、フルサイズ機のセンサーに必要なイメージサークルに対しては若干不足。
→ イメージサークルに余裕のある35mmシネマレンズを選ぶ必要あり
(標準画角(50mm)以上であれば、結構大丈夫なレンズあるみたい)
(35mmシネマレンズ買う時に)焦点距離を見る時は、デジカメのAPS-C機用のレンズと同じ扱いとしておこうかと
Pentaxで言えばDAレンズ(APS-C機専用レンズ)の焦点距離を見る時と同じ扱い
→ 例:焦点距離 30-35mmの焦点距離のシネマレンズは、フルサイズ機換算で焦点距離50mm前後の標準レンズ相当(x1.5(対角線長比))
というのも、、フルサイズで使おうと思った焦点距離でケラレが発生してがっかりするより、APS-Cクロップ前提の焦点距離で買っておいて、フルサイズでもケラレが発生なければ使える焦点距離が増える(ラッキー)、ってしといた方が選択肢が増える感がでるので少し幸せ。。。
8mm、16mm、35mmまとめて横並び
さて、サイズ感把握のため、上の図を同一スケールで横に並べるとこんな感じ。

Dマウントのイメージサークルちっちゃ!
追記
シネマレンズで見ていたら、、、PentaxQシリーズに、C/Dマウントのシネマレンズつけて遊べると。。
普段カバンの片隅にいれておけるカメラが欲しかったというのも手伝って、おもわずPentaxQ7買ってしまった。で、何本かC&Dマウントレンズも。。
Q7+Dマウントでもちょっとケラレるレンズがある、、35mmシネマレンズでもケラレる場合がある。。。ん? が今回の覚書の背景。
ちなみに、特にDマウントレンズは8mmカメラが衰退した事、PentaxQシリーズ以外では使えるカメラがない事から、フルサイズ向けのレンズでは手が届かないようなハイクラスのメーカーのレンズでも、遊べるレベルの価格でまだまだ入手できる。
しかし、ふと気づくと、
- カメラ:フルサイズのSony α7Riii、APS-CのPentax KP、1/1.7型のPentaxQ7
- レンズ:Kマウント(FA/DAレンズ、MFレンズ)レンズ、Mマウント化したシネマレンズ、Cマウントレンズ、Dマウントレンズ、Qマウントレンズ
ただ安くて遊べるとは言え、、、考えて買わないと危ない。。。ちゃんとしよう。。。