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[e:ネイピア数]3: 指数関数 \( e^x \) の求め方とその指数 \(x \) が示す意味。 \( \dfrac{1}{e}\) の求め方もついでに

e:ネイピア数

はじめに

“e”の定義式は

定義式からの”e”の解釈については、

ここから抜粋すれば、”e”は、

\( e=\displaystyle \lim_{ n \to \infty } (1+\dfrac{1}{n})^{n} \)

解釈の記事の ”\(e\)” の式展開では、利率 \(r=1\) としたため \(r\) の居所が見えにくくなったが、今回はその居所を表にだす。これが、 ”\(e^x \)” にたどり着く。

解釈の記事内の⑪式 \(S_∞ =\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a \cdot (1 + \dfrac{r}{n})^n \) の \(r\) を \(x \) で置き換え、\(a=1 \) とすれば、

\(S_∞= \displaystyle \lim_{ n \to \infty } (1 + \dfrac{x}{n})^n \) ・・・①

この式から始める。

流れは、①式の右辺に対数をつかって式展開し \(e^x \) を求める。
そこから元の式の解釈をふまえ ” \(e^x \) ” と指数部分の \(x \) の意味するトコロを覚書化。

\( S_∞ = e^x \) にたどり着くのに、ひと工夫要

以下がその式展開

\(e^x \) の 導入

①式の右辺に \(e\) を底とした対数(\(ln \))をとる( \(ln \ Z =log_e Z \) )

\( \displaystyle \lim_{ n \to \infty } ln (1 + \dfrac{x}{n})^n = \displaystyle \lim_{ n \to \infty } n \cdot ln (1 + \dfrac{x}{n}) \) ・・・②

ここで、\( t = \dfrac{x}{n} \) (\( n= \dfrac{x}{t} \) )とし 、\( n → ∞ \) のとき \( t → 0 \) である事をふまえれば、②式は

\( \begin{align}
\displaystyle \lim_{ n \to ∞ } n \cdot ln (1 + \dfrac{x}{n}) &= \displaystyle \lim_{ t \to 0 } \dfrac{x}{t} \cdot ln(1+t) \\[6pt]
&= \displaystyle \lim_{ t \to 0 } \dfrac{ln(1+t)}{t} \cdot x =x
\end{align}\)

( ∵ \( \displaystyle \lim_{ t \to 0 } \dfrac{ln(1+t)}{t}=1 \) (←下に抜粋、覚書はこちら) )

つまり、

\( \begin{align}
\displaystyle \lim_{ n \to ∞ } ln (1 + \dfrac{x}{n})^n =& x ・・・③ \\[6pt]
\end{align}\)

③式の左辺で∞に飛ぶのは \(n \) で ( \( n→∞ \) ) 対数の真数部分 \( (1 + \dfrac{x}{n})^n \) 、 \( x = ln \ e^x \) を踏まえれば、③式は

\( \begin{align}
\displaystyle ln ( \lim_{ n \to ∞ }(1 + \dfrac{x}{n})^n ) =& ln \ (e^x) \\[6pt]
\end{align}\) ・・・④

より、元の①式から \(x\) を外にひねり出した関数 \(e^x \) をもとめる事ができる。

④式から

\( e^x = \displaystyle \lim_{ n \to ∞ } (1 + \dfrac{x}{n})^n \)・・・⑤

となる。

元の①式の意味をふまえれば、”\(x\) ” は複利計算の仕組み(増加した分もその増加に組み込まれながら全体が増加する構造)でいうトコロの利率と同じ意味。

∵ \( \displaystyle \lim_{ t \to 0 } \dfrac{ln(1+t)}{t}=1 \) の抜粋は以下。

< \( \displaystyle \lim_{ t \to 0 } \dfrac{ln(1+t)}{t}=1 \) について >

関数 \( f(x)= ln \ x \) に平均値定理を使えば、\(1\ ~ \ (1+x) \) の間に \( s \) が

\( \dfrac{ln \ (1+x) – \ ln \ 1}{(1+x)-1} = f’ (s) \)

にて存在する。

さて、ここで\(ln \ 1 = 0 \) である事、 また \( f’ (x)= (ln \ x)’= \dfrac{1}{x}\) より \( f’ (s)=\dfrac{1}{s} \) である事を使えば、

\( \begin{align}
\dfrac{ln \ (1+x) – ln \ 1}{(1+x)-1} &=\dfrac{ln \ (1+x)}{x}\\[6pt]
&= \dfrac{1}{s} \ (= f’ (s))
\end{align} \)

\(s \) は \(1~x \) の間にある事から、 \( x → 0 \) に伴い \(s\) は \( s → 1 \) に落ちる。

\( f(x)’= \displaystyle \lim_{ x \to 0 } \dfrac{ln \ (1+x)}{x} = \displaystyle \lim_{ s \to 1 }\dfrac{1}{s} = 1 \)

よって、

\( \displaystyle \lim_{ x \to 0 } \dfrac{ln \ (1+x)}{x} = 1 \) ・・・⑥

ちなみに、”\(e^x \)” の微分の形が変わらない事 ( \( (e^x)’ = e^x\) ) を使えば、\(e^x \) は

\(e^ x= \displaystyle\sum_{n=0}^{\infty} \dfrac{x^n}{n!} \)

とも定義できる。覚書は

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関数 \(e^x \) における \(x\) の作用

つまり、関数 ”\(e^x \)” における \(x\) の示す意味(作用)は、複利計算でいう利率(=増加力)。

これから、\(x\) が変化する関数 \(e^x \) は、その増加力が変化する関数 とみる事ができる。

例えば、”\( x \) ”の増加にともなう関数 \(e^x \) の見方の例として、\( x =1、2 \) を例にとれば、

  • \( x =1 \) : \(e^{\color{red}{1}}\)
    → <解釈> 期間Tで2になる一定の増加力( \(\color{red}{1} \) = 100%(利率)) がかかる環境下では、期間T経過時の実増加率は約2.718倍 (= \(e^1 \)) になる
  • \( x =2 \) : \(e^{\color{red}{2}}\)
    → <解釈> 期間Tで3になる一定の増加力( \(\color{red}{2} \) = 200%(利率)) がかかる環境下では、期間T経過時の実増加率は約7.389倍 (= \(e^2 \)) になる
  • ・・・

といった感じのイメージ。
(\( x \) が時間tで表してある関数といった例 ( \(e^{αt}\))であれば、時間tの経過に伴い ”増加力(利率)自体が増える環境下” での関数、とイメージするのもいける)

\(\dfrac{1}{e} \) について

\(e^x \) がわかれば、\(\dfrac{1}{e} \) も 簡単に求まるのでついでに。

⑤式に \(x=-1 \) を代入すれば、\( \displaystyle \lim_{ n \to ∞ } (1 + \dfrac{-1}{n})^n =e^{-1} \) より

\( \dfrac{1}{e} = \displaystyle \lim_{ n \to ∞ } (1 – \dfrac{1}{n})^n \) ・・・⑥

ちなみに、ネイピア伯が対数を求めるのに使用していた式はここの \((1 – \dfrac{1}{n})^n \) につながっている。

オイラー大先生がこの⑥式の \(\dfrac{1}{e} \) から導く事ができる \(\ e =\displaystyle \lim_{ n \to ∞ } (1 + \dfrac{1}{n})^n \) が対数の微分の中で現れる事を発見し ”\(\ e \)” を微積の世界へと組み込み発展させた(という流れみたい)

(”ネイピア数”で検索をかけるとイロイロと情報がでてくるので、より正確なトコロはそちらを)

\(e \) について

⑤式の \(e ^x\) に \(x=1 \) を代入すれば、冒頭の \(e \) 。つまりは \(e^x \) の限定版。

さいごに

定義式の\( e ^{±1}=\displaystyle \lim_{ n \to ∞ } (1 ± \dfrac{1}{n})^n \) の違いからみてとれる様に、\(e \) は増加方向、 \( \dfrac{1}{e} \) は減少方向の実倍率の意味をもつ。このふたつは方向が違うだけで率は同じ。

また、 \( e ^{±x}=\displaystyle \lim_{ n \to ∞ } (1 ± \dfrac{x}{n})^n \) である事を踏まえれば。 極限の定義式内での\(x\) の意味するところが複利構造(増えた分も同時に増加する構造)でいう”率”を示す事を踏まえれば、 \( e ^{±x}\) の\(x \) の働きのイメージはつかみやすい。

以上

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