- メディアが持つ選挙の影響リスクを解析したら。。。
- 影響リスクをまとめてもらった(with ChatGPT)
- 解析結果 with ChatGPT
- ①要因共通(SNSが既存問題を可視化/増幅/高速化/発生を容易化)
- 1. 偽情報・誤情報の拡散 [①要因共通(SNSが増幅/高速化)]
- 2. エコーチェンバー現象・分断 [①要因共通(SNSが増幅/高速化)]
- 3. 「沈黙」を強いる圧力の発生 [①要因共通(SNSが発生を容易化)]
- 4. なりすまし型の自己賞賛・多数派偽装による世論誘導 [①要因共通(SNSが発生を容易化)]
- 5. 外部勢力による介入のリスク [①要因共通(SNSが発生を容易化)]
- 6. 既存の選挙制度との不整合 [①要因共通(SNSが可視化)]
- 7. 政策よりも“人格評価・印象操作” [①要因共通(SNSが増幅)]
- 8. 責任の空洞化(発信者側):候補者・発信者の「説明責任」が希薄化 [①要因共通(SNSが増幅)]
- 9. 責任の空洞化(媒介者側):運営者の裁量への依存 [①要因共通(SNSが増幅)]
- 10. 選挙期間外からの“常時キャンペーン化” [①要因共通(SNSが増幅)]
- 11. デジタル・リテラシー格差の政治化 [①要因共通(SNSが増幅)]
- ②要因共通(既存メディア・SNSにおいて差異なし)
- ③既存メディア固有要因
- ④SNS固有要因
- ①要因共通(SNSが既存問題を可視化/増幅/高速化/発生を容易化)
- まとめ
メディアが持つ選挙の影響リスクを解析したら。。。
兵庫県知事選、東京都知事選で既存メディアが彼らの事前予想と違う結果になったのは、SNSによって投票結果が影響を強く受けたせいだと。。。
(そもそも有権者の動きを予測できないメディアをマスメディアって呼ぶのか?と、ふと、かすめたが。。)。
取り扱いはSNSはどちらかというと悪影響としての扱い、ついでにある程度のSNSの規制が必要だとも。
ん?と。そもそも既存メディアもSNSも基本は同じ情報発信機能を担っている → 根っこは同じはず
で、あれ?そもそもSNSの特異性ってなんだっけ?と。
→ ChatGPTに解析してもらった。
影響リスクをまとめてもらった(with ChatGPT)
(既存メディア、SNSを問わず)メディアが選挙に与える影響のリスク要因をリストアップしてもらい、ついでに以下の分類項目で振り分けてもらった。
<分類項目>
- ① 要因共通(SNSが既存問題を可視化/増幅/高速化/発生を容易化):
- 問題/リスクそのものは従来から存在していたが、SNSが既存問題を可視化/高速化/増幅/発生を容易化
(=SNSの登場によって『可視化』『拡散速度の加速』『影響範囲の拡大』『発生コストの低下』が生じたもの)
- 問題/リスクそのものは従来から存在していたが、SNSが既存問題を可視化/高速化/増幅/発生を容易化
- ② 要因共通:
- 問題/リスクそのものは従来から存在し既存メディアもSNSも差異なし(もしくは小)
(=SNSの有無によって本質的な性質が変化しない要因)
- 問題/リスクそのものは従来から存在し既存メディアもSNSも差異なし(もしくは小)
- ③ 既存メディア固有要因:
- 問題/リスク構造としては既存メディアのみ要因を有する
- ④ SNS固有要因:
- 問題/リスク構造としてはSNSのみ要因を有する
問題/リスク要因
問題/リスク要因としてリスト化されたのは以下の24項目。リストで
- 青字のNo.1~11(11項目)が、既存メディア&SNS共通要因であるが、SNSの登場によって『可視化』『拡散速度の加速』『影響範囲の拡大』『発生コストの低下』が生じたもの。
- 緑字のNo.12~18(7項目)が、既存メディア&SNS共通要因、SNSの有無によって本質的な性質が変化しない要因
- 紫字No.19~23(5項目)が、既存メディアのみ有する固有要因
- 橙字のNo.24(1項目)が、SNSのみ有する固有要因
- 偽情報・誤情報の拡散
- エコーチェンバー現象・分断
- 「沈黙」を強いる圧力の発生
- なりすまし型の自己賞賛・多数派偽装による世論誘導
- 外部勢力による介入のリスク
- 既存の選挙制度との不整合
- 政策よりも“人格評価・印象操作”が中心になる
- 責任の空洞化(発信者側):説明責任の希薄化
- 責任の空洞化(媒介者側):運営者裁量への依存
- 選挙期間外からの“常時キャンペーン化”
- デジタル・リテラシー格差の政治化
- 見出し・構成による印象誘導
- 不祥事・対立・スキャンダル偏重
- 感情的・扇動的な情報への偏り
- 世論の「量」と「質」が区別されない
- 世論調査・専門家コメントへの過度な依存
- 少数意見・周縁的立場の不可視化
- 受け手の受動化・依存構造
- 編集権限の集中と論調の固定化
- 取材対象との依存関係・アクセスジャーナリズム
- 記者クラブ制度・閉鎖的情報流通
- 時間・紙面制約による単純化
- 報道責任の所在の曖昧さ
- マイクロターゲティング(個人レベルでの個別配信)の不透明性
つまりSNSは、(1項目を除き)ほとんどが既存の問題を「可視化・増幅・高速化・低コスト化」する強化装置として機能したにすぎないという結果。
以下に詳細。
解析結果 with ChatGPT
①要因共通(SNSが既存問題を可視化/増幅/高速化/発生を容易化)
1. 偽情報・誤情報の拡散 [①要因共通(SNSが増幅/高速化)]
従来から誤情報はあるものの、SNSの登場により、事実確認が不十分な情報や虚偽情報が短時間で広がり、後から訂正しても影響を完全に回収できない状況が生まれやすくなった。選挙期間中は特に投票判断に直結しやすい。
「真実のコスト」の非対称性といわれる(ブランドリーニの法則)
<主な形態>
- 未確認情報の拡散(速報性・独占性を優先)
- 意図的な虚偽情報(デマ、陰謀論、捏造画像・動画)
- 文脈を切り取った誤解誘導(部分的事実の誇張)
- 生成AIを用いた虚偽コンテンツの大量生成
<問題点>
- 有権者が前提とする「事実認識」自体が歪む
- 訂正情報が届く前に投票判断が行われる
- 訂正後も初期情報の影響が残る『持続効果』が生じやすい
2. エコーチェンバー現象・分断 [①要因共通(SNSが増幅/高速化)]
エコーチェンバー現象とは、似た意見ばかりに接することで個人の認識が偏り、自分の認識が多数派だと誤認しやすくなること。
またその主張に異論へのブロック/敵視傾向があれば社会全体の分断が深まる。
新聞の論調固定、テレビ局ごとの政治的傾向、専門誌・機関紙など、従来から「接触情報の偏り」によるその読者へのエコーチャンバー現象は存在するが、SNSは、選択的接触と排除を「個人単位で・反復的に・即時に」可能にすることで、この傾向を恒常化・自己強化させる。
<主な形態>
- 同質的コミュニティの形成
- 編集方針、アルゴリズムによる類似意見の推薦
- 異論のブロック・排除
- 外部情報の「敵視」・陰謀化
<問題点>
- 認知の偏りが自己強化される
- 社会全体の意見分布を誤認する
- 合意形成の前提となる共通理解が崩れる
3. 「沈黙」を強いる圧力の発生 [①要因共通(SNSが発生を容易化)]
村八分、空気、同調圧力は歴史的に存在するものの、SNSにおいて集団的糾弾・炎上・晒し行動の容易化に伴い、異論を述べるリスクが高騰。
結果として、穏健意見・中間的意見であっても、異論となる可能性があれば発信されず沈黙が選択される
<主な形態>
- 集団リンチ的炎上
- 晒し・私刑的行為
- 過去発言の掘り起こし攻撃
<問題点>
- 多数であっても穏健層・中道層は発言しなくなる
- 小数であっても極端な意見だけが残る
- 意見を言わない多数を含んだ見かけの総意が形成される
4. なりすまし型の自己賞賛・多数派偽装による世論誘導 [①要因共通(SNSが発生を容易化)]
世論操作会社、やらせ投書、動員デモ、サクラはSNS以前から存在するが、SNSの登場により第三者を装った自作自演が低コストにて可能に。
支持が広がっているかのような錯覚(虚偽の社会的証明)を生じさせることにより、内容より「支持されている印象」が判断に影響する。
“やらせ投稿”(ステルスマーケティング)もこれにあたる。
事例:2025年9月自民党総裁選の選挙戦中に 総裁候補者の陣営がニコニコ動画などへの“やらせ投稿(実際のコメント例付き)”を呼びかけていた案件
(「一皮むけた」「総裁間違いなし」といった肯定表現などを、第三者の自然発言のように見える“例文”として提示)。
研修資料に記載があったため週刊誌に流出し表沙汰となった(なければステマ成功)。
→「第三者を装った支持表明の誘導」と問題視され、選挙対策担当が謝罪し辞任
<主な形態>
- アストロターフィング(Astroturfing)
- 草の根運動を装った組織的・計画的な世論演出。
- 市民の自然発生的支持であるかのように見せかける点が特徴。
- ソックパペット(Sockpuppet)行為
- 一人または同一陣営が複数アカウントを使い分け、自作自演で称賛・擁護・反論を行う。
- 擬似的な議論の活発化や賛同の連鎖を演出する。
- フェイク・エンゲージメント
- いいね・リポスト・コメント数を人工的に増やし、人気や支持の錯覚を生む。
- アルゴリズムにより可視性が増幅され、実在世論に転化しやすい。
<問題点>
- 有権者の「多数派認識」を歪め、自由な判断を妨げる。
- 発言内容ではなく「支持されているように見えること」が影響力を持つ。
- 違法性の立証が難しく、制度的な対応が追いついていない。
5. 外部勢力による介入のリスク [①要因共通(SNSが発生を容易化)]
冷戦期の宣伝放送、外国紙広告、特定政党への資金提供(外国政府機関、宗教団体)など歴史的に存在するが、SNS登場により、国外勢力による世論操作への介入が「低コスト・高速・不可視」に容易化され(発信元特定難)、選挙の公正性や主権に影響を及ぼす。
(強化されたエコーチャンバーを使い、気づかぬうちに人の「現実認識」を容易に書き換える事ができる時代。外部勢力も容易に、この”認知戦”に加わる事ができる事から、選挙に影響を与えることが可能であり、これはすなわち主権に対する影響への危惧要因)
有名な事例が2016年アメリカ大統領選挙(ロシアの介入)。ロシア政府と関連する「インターネットリサーチエージェンシー(IRA)」という組織が、数千に及ぶ偽アカウントや広告を用いてFacebookやTwitterで情報操作を図ったとされる。目的は米有権者の分断を煽り、特定候補者に有利な世論形成を狙ったとのこと。
日本においても、2025年 日本の参議院選において懸念・疑惑が発生。政府・関係者が外国勢力によるSNS介入の可能性を指摘。
SNS上での偽情報・不自然な拡散が選挙期間中に確認され、複数アカウントが凍結されたとの報道あり。
真偽や関与主体は検証中にて、「外国背景の情報操作がある可能性」として警戒。
<主な形態>
- 国外組織・国家による情報工作
- 国内市民を装ったアカウント運用
- 分断を煽るテーマの意図的拡散
<問題点>
- 主権国家の自己決定が侵害される
- 内政問題と外交問題の境界が崩れる
- 介入の有無を事後検証しにくい
6. 既存の選挙制度との不整合 [①要因共通(SNSが可視化)]
テレビ普及時、インターネット初期、世論調査の一般化といった局面でも、制度が影響力の変化に追いつかない「制度遅延」は繰り返し発生してきたが、新規メディアであるSNSの登場により、既存制度が想定していない影響力/手法の広がりに対し、再び規制・公平性判断が制度的に追いつかない状況が発生
- 公職選挙法などは、その多くは街頭演説や紙媒体を前提に設計。
- SNS上の影響力(インフルエンサー、拡散力、疑似世論)のとり扱いが制度的に曖昧。
- 規制強化は「表現の自由」との衝突を招きやすい。
<主な形態>
- 個人インフルエンサーの巨大影響(SNS特有の影響力が制度想定外)
- 違反判断の基準不明確化
<問題点>
- 法の実効性が低下し、制度への信頼が揺らぐ
- 遵法・違法の線引きが恣意的になり、公正性への信頼が損なわれる
7. 政策よりも“人格評価・印象操作” [①要因共通(SNSが増幅)]
政策内容よりも人物像やイメージが強調され、選挙が人気投票化しやすくなる。結果、長期的影響を考慮しない判断が増える
<主な形態>
- キャラ化・ミーム化
- 印象操作的切り抜き動画
- スキャンダル偏重
<問題点>
- 人気投票化する危険性
- 切り抜き・炎上・キャラ化によって、有能/無能、正義/悪 といった単純評価が先行する。
- 短文・動画中心のSNSでは、政策の整合性や実現可能性が伝わりにくい。
- 有権者の判断軸が政策から逸れ、政策選択としての選挙が形骸化
(補足:14.に共通要因としてある情報環境の性質(感情的・扇動的な情報が優位になりやすい)は、この“人格評価・印象操作”にもつながる。)
8. 責任の空洞化(発信者側):候補者・発信者の「説明責任」が希薄化 [①要因共通(SNSが増幅)]
匿名ビラ、街頭演説、政党機関紙など説明責任が制度化されていない表現は以前から存在するが、SNS登場により誤った発言や断定的主張が訂正されないまま放置されやすく「言い切った者勝ち」の構造が強化される環境となっている。
<主な形態>
- 誤情報の放置・削除逃げ
- 発言の文脈切断・責任転嫁
- アカウント削除による追及回避
<問題点>
- 誠実な説明を行う者が不利になる
- 責任ある政治コミュニケーションが崩壊(言い切った者勝ち)
- メディア情報全体への信頼性低下(真偽判別コストの上昇)
9. 責任の空洞化(媒介者側):運営者の裁量への依存 [①要因共通(SNSが増幅)]
新聞社の編集権、放送局の編成権と「権限集中」という点では構造的に同型であるが、政治利用されたSNS上の誤情報(虚偽情報)に対し投稿の可視性・削除・警告は、(新たな営利観点をもつ)プラットフォーム運営者判断に依存。
<主な形態>
- 投稿削除・警告の恣意性(国外プラットフォームの場合、国や文化違いにより一貫されない)
- 編集方針 (既存メディア) や アルゴリズム (SNS) の非公開
<問題点>
- 公共性と営利性の衝突
- 異議申し立てが困難
- 民主的統制(選挙・議会・司法)による直接的関与が及ばない
- 判断基準が説明されない(規制強化と「表現の自由」との衝突)
- 政治広告ルールの不統一
10. 選挙期間外からの“常時キャンペーン化” [①要因共通(SNSが増幅)]
選挙期間外でも事実上の選挙活動が続き、資金力や組織力の差が長期的に影響する。
この構造は従来より与党広報・政党機関紙・後援会活動として存在していたが、SNSを政治利用すれば、低コストで選挙期間外でも実質的な常時選挙運動が可能。
<主な形態>
- 日常的な政治的刷り込み
- 事前印象形成の長期化
- 事実上の先行選挙運動
<問題点>
- 法制度上の「選挙期間」という概念が形骸化する。
- 資金力・組織力の差が、長期的に影響力格差として蓄積され結果に直結する
- 新規参入者が不利になる
11. デジタル・リテラシー格差の政治化 [①要因共通(SNSが増幅)]
活字リテラシー、テレビ理解力、調査報道の読み解き力など媒体ごとの理解力格差は歴史的に常に存在してきたが、デジタル情報の読み解き力が弱いほどSNSの誤情報、偽装世論の影響を受けやすい。年齢・教育・情報環境の差が、投票行動の歪みとして現れる。デジタル・リテラシーの格差が政治参加の不平等に直結する。
<主な形態>
- 高齢層・初心者層の誤認誘導
- 技術理解不足を突いた操作
- 情報環境の階層固定化
<問題点>
- 政治参加の平等が損なわれる
- 社会的弱者が操作対象になる
- 民主主義の基盤が不安定化する
②要因共通(既存メディア・SNSにおいて差異なし)
12. 見出し・構成による印象誘導 [②要因共通]
本文よりも見出し・テロップ・番組構成が強い印象を与え、内容理解より感情的評価が先行する。
13. 不祥事・対立・スキャンダル偏重 [②要因共通]
公共的意義よりも注目度を優先し、対立・失言・不祥事が過剰に扱われる傾向がある。
14. 感情的・扇動的な情報への偏り [②要因共通]
既存メディアSNSを問わず、怒りや恐怖を刺激する表現は注目されやすく、冷静な政策論より対立を煽る言説の方が広がりやすい。
議論が敵味方の構図に単純化される。
<主な形態>
- 怒り・恐怖・侮辱を刺激する表現
- 対立構造を単純化した二項対立フレーム
- 敵対集団へのラベリング・スティグマ化
- 過激な断定・誇張表現による注意喚起
<問題点>
- 冷静な政策比較が成立しにくくなる
- 妥協や中間案が「裏切り」と見なされやすい
- 社会的緊張が常態化し、民主的討議が劣化する
15. 世論の「量」と「質」が区別されない [②要因共通]
既存メディアにおいては発行部数、視聴率、動員人数=民意と誤認する問題は昔から存在していたが、SNSにおいても、投稿数・いいね数・トレンドが民意の代替指標として扱われる。ただ実際には、以下の要素が混在しているにもかかわらず、それらの違いは十分に区別されない。
- SNS:声の大きい少数による偏り
- 既存メディア:編集方針による偏り
- 組織的投稿
- 自動化された割増し(SNS)
<主な形態>
- トレンド指標の過大評価
- 動員投稿・自動化投稿
- 数値の単独引用による世論演出
<問題点>
- 熟慮された沈黙多数派が不可視化され、熟慮民主主義が機能しない
- 静かな多数派が無視される
- 「既存メディアとしての主張 / SNS内の声の大きさ=正当性」という誤解
16. 世論調査・専門家コメントへの過度な依存 [②要因共通]
調査手法や前提条件が十分説明されないまま、数字や識者の発言が「客観的事実」として扱われる。
心理学的には「権威ヒューリスティック」の利用。
17. 少数意見・周縁的立場の不可視化 [②要因共通]
「一般的」「常識的」とされる視点が優先され、少数派や不利な立場の声が継続的に取り上げられにくい。
18. 受け手の受動化・依存構造 [②要因共通]
編集済み情報を一方向的に受け取る構造により、視聴者・読者が自ら検証・比較する習慣を持ちにくくなる。
③既存メディア固有要因
19. 編集権限の集中と論調の固定化 [③既存メディア固有要因]
限られた編集部・デスクの判断が、報道の方向性や論調を大きく左右する。異なる視点が内部で排除されやすく、媒体ごとの「色」が固定化する。
20. 取材対象との依存関係・アクセスジャーナリズム [③既存メディア固有要因]
権力者・官庁・企業との継続的関係を維持するため、批判が抑制される。情報提供と引き換えに、報道の踏み込みが弱くなる構造が生じる。
21. 記者クラブ制度・閉鎖的情報流通 [③既存メディア固有要因]
特定メディアのみが公式情報にアクセスできる制度的慣行により、報道内容が横並びになり、検証・競争が弱まる。
22. 時間・紙面制約による単純化 [③既存メディア固有要因]
放送時間や紙面の制約により、複雑な背景や反論が省略される。結果として、問題が過度に単純なストーリーとして提示される。
23. 報道責任の所在の曖昧さ [③既存メディア固有要因]
組織として報道するため、個々の誤りや判断の責任主体が見えにくい。
④SNS固有要因
24. マイクロターゲティング(個人レベルでの個別配信)の不透明性 [④SNS固有要因]
SNSにおいては、個人単位で、行動履歴・思想傾向・関心を推定し、本人にも他者にも見えない形でその人用に仕立てた政治メッセージを同時並行で配信する事が可能
- 個人の属性や関心に応じて、異なる政治広告やメッセージを配信できる。
- 誰に、どんな主張が、どの規模で届けられているのかが外部から検証しにくく、公開討論や共通の争点形成が弱まる。
<主な形態>
- 属性別に異なる政治広告を配信
- 関心・不安に訴える個別最適化メッセージ
- 公開されない「裏の主張」「限定主張」
<問題点>
- (個別にどのような政治広告やメッセージが配信されているか不可視のため)公共空間での反論・検証が成立しない
- (政治広告やメッセージは受信者専用に仕立てられているため)候補者の一貫性が検証できない
- 有権者間で情報格差が生まれる
まとめ
今回のリストを見る限り、SNSが選挙に影響を与える問題の多くは、実は既存メディアと共通であり歴史的に連続して存在してきたものである。
つまり、1項目を除けば、SNSは既存の問題を「可視化・増幅・高速化・低コスト化」する強化装置として機能し、熟考・熟議時間の喪失、低信頼性の情報の増大等を招いてはいるものの、メディアとして抱えている根本的な問題要因は”ほぼ同じ”とみる事もできる。
また、例外の1項目とは、24.「マイクロターゲティング」であり、これはSNSという技術がなければ、そもそも成立しえなかった質的に新しい問題、という結果となる。
というわけで、現状でOKとは言えないものの、(金儲け目的のSNS政治利用は別として)SNSへの一方的な悪者論からの ”SNS規制必要論” については、”ホントに?”という疑問は残らざるおえない。
(表現の自由に関連する規制制度は、同じ要因を含有する既存メディア含めた発信メディアの首も絞める=政治への監視機能が弱まる)
また別の見方にはなるが、SNSは現在単に未成熟なだけであり成熟すれば既存メディアの問題要因をカバーし、新たなマスメディア(の監視機能)としての機能を期待する事もできる。( → 既存メディア固有要因(No.19~23)の5項目は少なくともない。)
つまり、従来の「政府」を監視する役割としての「既存メディア」という構造から、その「既存メディア」の監視する役割としての「SNS」、その「SNS」を監視する役割として「既存メディア」が位置づけた、”構造の違うメディア”間での相互監視体制、そんな三角構造となる将来。
現状SNSが既存メディアをオールドメディアと蔑視し、既存メディアはSNSは嘘が多く信頼に足らないと双方が揚げ足取りをしているように見えるが、これはこれである意味相互監視。
というのも、ChatGPTが、面白いことを言っていた。
「審判が自分の笛の音を検証しない構造になったとき、第二の審判は誰か?」と。
加え、
「物差しを作る側が、その物差しの歪みを測るのは、原理的に難しいことだよね」
とも
現在、SNSが将来的に成熟し常に信頼できるメディアになれるとも限らない(自浄が働かない可能性)、既存メディアも日本の報道の自由度ランキングは世界66位(G7最低)という “物差し” のレベルである実情を踏まえると、将来的にはさもありなん、と。
また、どの情報が信頼できるかは自ら選択し、その選択に基づいて判断をし、下した判断には自ら責任をもつ事ができるのは民主主義のメリット。
そもそも気をつけていても人は操られやすいもの、
情報ソースは複数あったほうがよい。
