平家物語(冒頭)
| 原文 | 現代語訳 |
| 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす おごれるもの久からず、唯春の夜の夢のごとし 猛き者もついには滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ | 祇園精舎の鐘の音は、この世のすべてのもの(諸行)は、不変のものはない(無常)ことの響きがある。 沙羅双樹の花の色は、勢い盛んな者もいつかは必ず衰えるという道理を表している。 おごり高ぶっている人も長くは続かず、それはただ春の夜の夢のようなものある。 強い者もついには滅びる、まったく風の前の塵と同じである。 |
方丈記(冒頭)
| 原文 | 現代語訳 |
| 行く河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。 世中にある人と栖(すみか)と、またかくのごとし。 | 河の流れは絶えることなく流れるが、ただしそれは同じ水ではない。 よどみに浮かぶ泡(うたかた)は、一方では消え、一方ではむすび、同じところに長く留まることはない。 世の中の人とその住居も、またこの(泡の)ようである。 |
諸行無常
般若心経(般若波羅蜜多心経)
| 原文 | 現代語訳 |
| 1. 観自在菩薩 「かん じざい ぼさつ」 2. 行深般若波羅蜜多時 「ぎょうしん はんにゃはらみったじ」 3. 照見五蘊皆空 「しょうけん ごうん かいくう」 4. 度一切苦厄 「ど いっさい くやく」 5. 舎利子 「しゃりし」 6. 色不異空 「しきふ いくう」 7. 空不異色 「くうふ いしき」 8. 色即是空 「しきそく ぜくう」 9. 空即是色 「くうそく ぜしき」 10. 受想行識亦復如是 「じゅそう ぎょうしき やくぶ にょぜ」 11. 是諸法空相 「ぜ しょほう くうそう」 12. 不生不滅 「ふしょ ふめつ」 13. 不垢不浄 「ふく ふじょう」 14. 不増不減 「ふぞう ふげん」 15. 是故空中 「ぜこ くうちゅう」 16. 無色 「むしき」 17. 無受想行識 「むじゅそう ぎょうしき」 18. 無眼耳鼻舌身意 「むげん にびぜつ しんい」 19. 無色声香味触法 「むしき しょうこうみ そくほう」 20. 無眼界 「むげんかい」 21. 乃至無意識界 「ないし むいしきかい」 22. 無無明 「む むみょう」 23. 亦無無明尽 「やく むむ みょうじん」 24. 乃至無老死 「ない し むろうし」 25. 亦無老死尽 「やく む ろうし じん」 26. 無苦集滅道 「むく じゅうめつどう」 27. 無智亦無得 「むち やくむとく」 28. 以無所得故 「いむ しょとくこ」 29. 菩提薩埵 「ぼだいさつた」 30. 依般若波羅蜜多故 「えはんにゃはらみつたこ」 31. 心無罣礙 「しんむ けいげ」 32. 無罣礙故 「むけい げこ」 33. 無有恐怖 「むう くふ」 34. 遠離一切顛到 夢想 「おんりいっさい てんどう むそう」 35. 究境涅槃 「くきょう ねはん」 36. 三世諸仏 「さんぜ しょぶつ」 37. 得阿耨多羅三藐三菩提 「とくあのくたら さんみゃくさんぼだい」 38. 故知般若波羅蜜多 「こち はんにゃはらみつた」 39. 是大神呪 「ぜだい じんしゅ」 40. 是大明呪 「ぜだい みょうしゅ」 41. 是無上呪 「ぜむ じょうしゅ」 42. 是無等等呪 「ぜむ とうどうしゅ」 43. 能除一切苦 「のうじょ いっさいく」 44. 真実不虚 「しんじつ ふこ」 45. 故説般若波羅蜜多呪 「こせつ はんにゃはらみつたしゅ」 46. 即説呪曰 「そくせつ しゅわつ」 47. 羯諦 羯諦 「ぎゃてい ぎゃてい」 48. 波羅羯諦 波羅僧羯諦 「はらぎゃてい はらそうぎゃてい」 49. 菩提薩婆訶 般若心経 「ぼじそわか はんにゃしんぎょう」 | 1. 観音菩薩が、 2.「般若波羅蜜多」という涅槃への知恵を深く行じていた時に、 3.「五蘊」*1はすべて「空」であるとその本質を見極め、 4. すべての苦厄から解放された。 5. 舎利子*2 よ 6. 「色」は、「空」に異ならず 7. 「空」は、また「色」に他ならず 8. 「色」は、すなわち「空」であり、 9. また「空」こそが「色」である。 10. 「受想行識」(五蘊*1の「色」以外)も「空」なのである。 11. これ、すべてのものは空相にして、 12. 生じることもなく、また消滅することもなく、 13. 穢れることもなく、浄化されるのでもなく、 14. 増えるのでもなく、減るのでもない 15. それゆえに「空」には、 16. 「色」もなく、 17. 「受想行識」もなく(実体もなく)、 18. 「眼耳鼻舌身意=六根」もないので、 19. 「六根」が感得する「色声香味触法」もない。 20. 可視できるものもなく、 21. 意識に智得されるものもない。 22. 無智・無明もなく、 23. 無明の尽きることもなく、 24. 老死することもない 25. また、老死が尽きることもなく、 26. 「苦」「集」「滅」「道」(「四諦」)*3 もなく、 27. 悟りのための「智」もなく、「智」を得ることもなく、 28. 持つべきものは何もないのだから、 29. 「菩薩」*4 (修行する人)は、 30. 「般若波羅蜜多」の知恵の故によって、 31. 心に「罣礙 (けいげ)」*5 がなく、 32. 「罣礙 」が無いが故に、 33. 恐怖するものも無く、 34. あらゆる本末転倒した妄想を離れて、 35. 究極の涅槃の域の、 36. 「三世」(過去、現在、未来)に居た諸仏の、 37. 「阿耨多羅三藐三菩提」(という最高の知恵)を得る。 38. 故に、知るべし、「般若波羅蜜多」の智恵は、 39. これは偉大かつ神聖な真言であって、 40. これは偉大にして智恵ある真言であり、 41. これは、無上の真言で、 42. これと等しい真言は無く、 43. よく一切の苦を除き、 44. 真実にして虚にあらず。 45. 故に、「般若波羅蜜多」の真言を説こう。 46. すなわち、真言を説いて曰く、 47. 行く者よ、行く者よ 48. 迷いの世界から悟りの彼岸へ行く者よ、確固として行く者よ 49. 幸いあれ、般若心経。 |
-「色」は物質的な世界すべて【肉体・物質】
-「受」は外界から受ける印象の感受【感受・直感】
-「想」は概念の形成【表象・イメージ】
-「行」は意志の働き【意志・形成】
-「識」は対象を統合して認識し、価値判断を下す心の根本的な働き【認識・判断】
*2:智慧第一と言われた仏弟子シャーリプトラ(漢訳では舎利弗(しゃりほつ)
*3 : 四諦八正道(したいはっしょうどう):仏教の最も基礎となる教え「人生の苦しみから抜け出すための処方箋」(四苦八苦の語源)
四諦:「現状分析と目標設定」悟りに至る4つの真理:
– 苦諦(くたい):人生は思い通りにならない(「苦」である)という現実。
– 集諦(じったい):苦しみには「執着(煩悩)」という原因がある。
– 滅諦(めったい):執着をなくせば、苦しみは消える「滅」という理想の状態。
– 道諦(どうたい):苦しみを消すための具体的な修行方法(=八正道)がある。
八正道:「具体的な行動プラン」道諦の中身の8つのステップ
– 正見(しょうけん)物事をありのまま、正しく見ること。
– 正思(しょうし)正しい考えを持ち、むさぼりや怒りを捨てること。
– 正語(しょうご)嘘や悪口、無駄口を言わず、正しい言葉を使うこと。
– 正業(しょうごう)殺生や盗みなど、間違った行いをしないこと。
– 正命(しょうみょう)正しい仕事を持ち、規律ある生活を送ること。
– 正精進(しょうしょうじん)正しい方向へ、たゆまず努力すること。
– 正念(しょうねん)常に自分を客観的に見つめ、邪念を払うこと。
– 正定(しょうじょう)心を落ち着かせ、集中した状態を保つこと。
*4 :「菩薩」悟りを求めて修業する人
*5 : 罣礙(けいげ):心に迷い、物事への囚われ・執着がある状態
「照見五蘊皆空」、「色即是空、空即是色」
雨ニモマケズ(宮澤賢治)
| 原文 | 現代語 |
| 雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ 慾ハナク 決シテ瞋ラズ イツモシヅカニワラッテヰル 一日ニ玄米四合ト 味噌ト少シノ野菜ヲタベ アラユルコトヲ ジブンヲカンジョウニ入レズニ ヨクミキキシワカリ ソシテワスレズ 野原ノ松ノ林ノ蔭のノ小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ 東ニ病気ノコドモアレバ 行ッテ看病シテヤリ 西ニツカレタ母アレバ 行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ 南ニ死ニサウナ人アレバ 行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ 北ニケンクヮヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ ヒドリノトキハ ナミダヲナガシ サムサノナツハ オロオロアルキ ミンナニデクノボートヨバレ ホメラレモセズ クニモサレズ サウイフモノニ ワタシハナリタイ | 雨にも負けず 風にも負けず 雪にも夏の暑さにも負けぬ 丈夫なからだを持ち 欲は無く 決して瞋からず(いからず)何時も静かに笑っている 一日に玄米四合と味噌と少しの野菜を食べ あらゆる事を自分を勘定に入れずに 良く見 聞きし 判り そして忘れず 野原の松の林の影の小さな萱葺きの小屋に居て 東に病気の子供あれば 行って看病してやり 西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を背負い 南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくても良いと言い 北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろと言い 日照りのときは涙を流し 寒さの夏はオロオロ歩き 皆にデクノボーと呼ばれ 誉められもせず苦にもされず そういう者に私はなりたい |
君のいうことにはまったく同意はしない。だが、それを語る自由は命に代えても守ろう
“I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it.”
ホール(Evelyn Beatrice Hall)が著書 ”The Friends of Voltaire”(1906)にてヴォルテール(Voltaire:18世紀フランス啓蒙思想家)の思想を要約した一文。
20世紀以降の民主主義社会における言論の自由の価値観形成に影響。
”ヘイトスピーチへの規制”と”国家による言論統制”は、同じ枠(飾り文句がちがうだけ)。民主主義の成熟さが問われる。
わからないことが、わからなければ、わからないことはわからない
(テミスの不確かな法廷)
自分がわかっていないという事が認識できなければ、それは永遠にわかろうとする対象にならない。
好奇心大事。
まぁ、”わからなくてもいい”といいと判断するのは、わかってから。
”わからなくてもいい/わかっても役にたたない” と思ってしまうのは、認知的不協和が発生しているが故
( ← これは人の性:イソップ童話のすっぱい葡萄と同じ)
こういったときは、単純に”今はわからない /いつかはわかる” 、で結論先延ばし。
→ “わからないこと”への認知的不協和をおこさず、将来の好奇心の種に
”無知の知” 大事
過程から導く結論は”正”といえるが、結論から想定した過程を”正”としてはならない
(DEP:重大事故捜査班 シーズン1)
結論ありきの情報には注意要。帰納詭弁の一種の可能性がある。
説明の飛躍(Abductive leap)
誤り原因:他の説明可能性を無視
構造:<前提1>事実Aがある <前提2>仮説Zなら説明できる→ <結論>Zが真である
例:<前提1>地面が濡れている <前提2>雨なら説明できる→ <結論>雨が降った
(実際には、散水、水道管破裂、霧の可能性を無視している)
先に後付けの過程(仮説)を”正”として見せ、自らの意図する結論へ誘導する詭弁(他の可能性を覆い隠す)。
結果に紐づく過程があっても、それが唯一であるとは限らない
→ 他の原因・過程が存在しないことにはならない
これは、”言い訳”の構造と同じ
<前提1>失敗した <前提2>資金がない、ことが失敗の理由にできる→ <結論>資金がなかったら失敗した
我ただ足るを知る(我唯足知)
(竜安寺 手水鉢)
私見含め↓
Today is the first day of the rest of my life
残りの人生を基準にすれば、毎日が初日。
何かを始めるのに遅いことはない。かける時間の目安は以下
スキル取得の時間目安:プロになるには1万時間
- 20時間 (毎日1時間練習で20日、“毎日3時間”練習で一週間)
- 新しいスキルを習得する際、(ある程度問題なくできる)初級者レベルになるために要する時間の目安。
20時間の集中練習が効果的
(The First 20 Hours: How to Learn Anything, Kaufman )
- 新しいスキルを習得する際、(ある程度問題なくできる)初級者レベルになるために要する時間の目安。
- 1,000-2,000時間 (毎日1時間練習で3-6年、“毎日3時間”練習して大体1-2年)
- 中上級レベル、セミプロになるために要する時間の目安
- 10,000時間 (毎日1時間練習で30年、“毎日3時間”練習して10年弱)
- その道の超上級、一流プロになるために要する時間の目安
(Outliers: The Story of Success, Gladwell)
- その道の超上級、一流プロになるために要する時間の目安
継続は力なり、好きこそものの上手なれ
為なせば成る、為なさねば成らぬ何事も、成らぬは人の為なさぬなりけり
(米沢藩 藩主 上杉鷹山)
意思の力。ほかにも
- 精神一到何ごとか成らざらん
- Where there is the will, there is the way
要は、”成らぬは人の為さぬなりけり” の心意気。
悪貨は良貨を駆逐する
世の中、悪貨の方(質の悪い方)が圧倒的に有利なゲーム(ブランドリーニの法則等も参照)。
良貨(質の良い方)は自然に維持されるものではなく、維持するにはそれなりのコストが必要(維持する努力・意思・モラル)。
何を良貨、悪貨とするのかも含めてだが。。。
天知る、地知る、人知る、我知る
少なくとも自分のことは自分だけは知っている。
